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ハードボイルド!~テキーラの巻~

投稿者:  2015年08月24日

俊一郎は電車に乗っていた。

なぜなら、生まれ故郷の横浜に行くためだ。

 

熟考した俊一郎は、

もはや、自分の意志で横浜に行くことを

あきらめていた。

電車なら、勝手に横浜まで運んでくれる、

と考えたのである。

 

前回、気絶したことも、

今となっては、いい思い出だ。

 

俊一郎はキヨスクで買った、

まい泉のカツサンドを口にぶちこみ、

テキーラで胃袋に流し込んだ。

ハードボイルドである。

 

世田谷の自宅から、まず二子玉川に出て、

大井町線で自由が丘まで行き、

東横線でみなとみらいを目指した。

 

無事、大井町線に乗り込んだ俊一郎は、

心が躍っていた。

 

『行ける!今日は必ず!

生まれ故郷の横浜に!』

 

電車は無事、自由が丘に着き、

またしても無事に乗り換えができた。

 

電車は、間違いなく、

横浜に向かっていた。

 

俊一郎は、まい泉の海老カツサンドと

テキーラを胃袋にぶち込んでいた。

 

『ふぅーっ、行ける…。

行ける…よ…。

行け……。

………。

ZZZZZzzzzzz……。』

 

俊一郎は、嬉し過ぎて、

飲み過ぎて、眠り込んでしまった。

 

俊一郎を乗せた電車は、

みなとみらいを通り過ぎ、中華街に到着。

そして、東京方面へと折り返していた。

 

『ZZZZZ……

…はっ!?うっ!?

ん゛ーーーーーー!?』

 

『次は~、渋谷~、渋谷~。

終点でございまぁーす。』

 

不覚にも、東京のど真ん中まで、

舞い戻ってきてしまっていた。

 

『なんで!ちっくしょー!

…まぁいい。

次、また折り返せば…。』

 

『この電車は~、最終電車になりま~す。

お忘れ物のございませんよう・・・~』

 

『・・・・・・なんて日だ!』

 

電車を降りた俊一郎は、

とぼとぼと歩きながら、空を見上げた。

涙が止まらなかった。

 

すれ違う人々は、気持ち悪がって

道をあけた。

 

『ぐーーー、今度こそっ!

今度こーそーはーーーー!』

 

世田谷通りを歩いて帰りながら、

かたく誓う俊一郎であった。

(もぉー、行って!お願いだから行って!byエンドー)

(早くこの連載終わんないかなー。byチハル)