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ハードボイルド ~竹の巻~!

投稿者:  2015年08月11日

俊一郎は、熟考していた。

なぜ、生まれ故郷の横浜へ

なかなか辿りつけないのか…。

1000坪の自宅の5階の窓から、外を眺める。

セミが、これでもかというくらいに

元気に鳴いていた。

 

『そうか!車やバイクで行こうとするからダメなんだ!』

『電車だ!電車で行こう!』

 

前回、マンホールに吸い込まれたことも、

今となっては、いい思い出だ。

 

俊一郎は、ジョッキにアンバサを入れ、

一気に胃袋に流し込んだ。

ハードボイルドである。

 

『うーむ、しかし、その前に腹ごしらえだな。』

『暑いから、ソーメンにしよう』

 

俊一郎は屋上にあがり、竹を割ったものを

庭に向かっておろしはじめた。

そう、流しそうめんだ。

 

屋上から庭まで、竹をおろしおえ、

水も流し、そうめん、つゆ、薬味、

準備は完璧だった。

 

その時!

 

『・・・・・・誰が流すんだ?』

 

ここ、屋上は地上20m。

長さ30メートルの竹での流しそうめんだ。

1人では、どうしようもない。

 

そう、俊一郎には、

友達が1人もいなかったのだ。

 

『いや、流しソーメン、

絶対に食べてやる!』

 

俊一郎の心に、火がついてしまった。

 

『ソーメンを流すだろ?

つゆを持って、かけおりる…。

だめだ!

これでは間に合わない…。』

 

『よし!まず、私が竹にまたがり、

先に滑り降りはじめる。

そして、ソーメンを後から、

ポイッと上流に投げ、流せばいいのだ!

よーし、これだ!

これならいける!』

 

『いよーし。せーのでいくぜー…。』

『せーの!ほっ!』

 

俊一郎は、うつぶせで竹にまたがり、

竹の上を滑り降りていった。

 

『今だ!』

 

ポイッとそうめんを投げる俊一郎!

その時!

 

不安定な手元から放たれたそうめんは、

竹を大きく外れ、むなしく屋上の片隅へと消えていった。

 

『なっ!?なんと!?』

 

俊一郎は、一人、竹を流れていった。

『流し俊一郎』になっていた。

 

地上20m、斜度のある竹を、

加速度をつけて流れていく俊一郎。

すごい勢いで流れていき、

地面におしりから激突。

俊一郎は、そのまま、気を失ってしまった。

 

横浜どころか、飯も食えない、

哀れな男であった。

(横浜にこだわる俊一郎…。佐賀出身なのに…。byエンドー)

(あたしたちの上司って、一体…。どうしよう…。byチハール)